第9巻1747番歌はこちらにまとめました。
第9巻 1747番歌
巻 | 第9巻 |
歌番号 | 1747番歌 |
作者 | 高橋虫麻呂 |
題詞 | 春三月諸卿大夫等下難波時歌二首[并短歌] |
原文 | 白雲之 龍田山之 瀧上之 小鞍嶺尓 開乎為流 櫻花者 山高 風之不息者 春雨之 継而零者 最末枝者 落過去祁利 下枝尓 遺有花者 須臾者 落莫乱 草枕 客去君之 及還来 |
訓読 | 白雲の 龍田の山の 瀧の上の 小椋の嶺に 咲きををる 桜の花は 山高み 風しやまねば 春雨の 継ぎてし降れば ほつ枝は 散り過ぎにけり 下枝に 残れる花は しましくは 散りな乱ひそ 草枕 旅行く君が 帰り来るまで |
かな | しらくもの たつたのやまの たきのうへの をぐらのみねに さきををる さくらのはなは やまたかみ かぜしやまねば はるさめの つぎてしふれば ほつえは ちりすぎにけり しづえに のこれるはなは しましくは ちりなまがひそ くさまくら たびゆくきみが かへりくるまで |
英語(ローマ字) | SHIRAKUMONO TATSUTANOYAMANO TAKINOUHENO WOGURANOMINENI SAKIWOWORU SAKURANOHANAHA YAMATAKAMI KAZESHIYAMANEBA HARUSAMENO TSUGITESHIFUREBA HOTSUEHA CHIRISUGINIKERI SHIDUENI NOKORERUHANAHA SHIMASHIKUHA CHIRINAMAGAHISO KUSAMAKURA TABIYUKUKIMIGA KAHERIKURUMADE |
訳 | 白雲が立つという龍田の山の滝の上にある小椋の嶺に、枝がしならんばかりに咲く桜の花。山が高いので、風がやまず、春雨が次々に降るので、上枝の桜は散ってしまった。下枝に残っている花よ。このまましばらく散らないでおくれ。旅に出たわが君が帰ってくるまで。 |
左注 | (右件歌者高橋連蟲麻呂歌集中出) |
校異 | 歌 [西] 謌 [西(訂正)] 歌 / 短歌 [西] 短哥 [西(訂正)] 短歌 |
用語 | 雑歌、作者:高橋虫麻呂歌集、奈良、餞別、天平6年3月、年紀、難波、大阪、地名、枕詞、植物 |